CASE STUDY
Atlas 5GigE 31.4MPカメラ
搭載の超小型衛星より高解像度の空撮を実現
Atlas 5GigE 31.4MPカメラ搭載の超小型衛星より高解像度の空撮を実現
浜松市の機器メーカー、原田精機は、通信機器メーカーのアドニクス(本社・東京)、九州工業大学(同・北九州)と共同で超小型衛星「KITSUNE」を開発・製造した。2022年3月24日に国際宇宙ステーション(ISS)から軌道上に放出され、その後、地球観測や高速通信のためのさまざまな実証実験が行われている。
KITSUNEは「ワイド6U」サイズの衛星で
課題
人工衛星の高性能化が進む一方で、サイズや重量、宇宙空間の厳しい温度変化に耐える信頼性、打ち上げ時の振動や衝撃への耐性、高速移動に対応した高性能なカメラ、数々の安全試験などをクリアし、かつコストを抑えなければなりませんでした。
解決方法
KITSUNEは「ワイド6U」サイズの衛星で、縦30cm、横20cm、高さ10cmの箱型で、重さは約8kgという超小型衛星です。速度は7.7km/sで、地上400kmの上空を約90分で地球を1周することができます。世界中で打ち上げられる超小型衛星の2倍の容量があり、従来よりも大きく高性能な撮像装置を搭載することが可能でした。
衛星の周囲に取り付けた太陽電池パネルで充電し、装置を動かす構成で、高精度の望遠レンズや高速通信装置を搭載し、5メートル四方の地上の物体を識別する映像を撮影することができる。これは、低ノイズ、広ダイナミックレンジ、高量子効率といった優れた画質を実現しているソニーの31.4MPグローバルシャッターCMOSセンサーを搭載したLUCID社の高解像度カメラ「Atlas 5GigE」を導入したことで実現できている。Atlasは、55x55x70mmのコンパクトな筐体に収められ、耐振動・耐衝撃性に優れたファクトリータフデザインで知られています。
さらに、Atlasシリーズでは、大判センサーの光学性能を最大限に引き出すため、アクティブセンサーアライメントを搭載しており、高い光学精度が要求されるアプリケーションに最適なカメラです。長焦点望遠レンズを使用し、隅々までシャープで鮮明な画像を実現するためには、大判センサーをレンズマウントに正確にアライメントすることが重要でした。(下図参照)
Atlas 5GigE カメラ
このAtlasの産業用カメラは、コンパクトサイズで高帯域を必要とする撮像用に設計されています。 5Gbase-T (5GigE) イーサネットインターフェースはギガビットイーサネットより 5倍速く、第1世代のUSB3.1より50%高速で、通常の銅線のイーサネットケーブルで100mの長さまで機能します。 Atlasは、統合を簡素化し、コストを低減するPower over Ethernet (PoE) に対応しています。 また、そのコンパクトなサイズにもかかわらず、Atlasは大きなヒートシンクやファンの必要なしに大判のAPS-C画像センサに対応しています。 5GigE Atlasはより高速のフレームレート、コンパクトなサイズ、そして優れた価格性能比というメリットを達成しています。
まとめ
原田精機では、この超小型衛星の打ち上げ以来、衛星の商業利用のためのアイデアを練ってきた。原田浩利社長は、「衛星に求められる機能が高度化する中で、この超小型衛星の大きさは今後の新しいスタンダードになる」と意気込みを語っています。民生市場に広く普及するために使いやすく安価な衛星を作り、より人々の生活に密着した情報産業に貢献することを目指します。”と述べています。
詳しくはこちら :
Harada Seiki
Addnics
Kyushu Institute of Technology
Atlas 5GigEカメラの詳細については、Atlas 5GigEの製品ページをご覧ください。