CASE STUDY

業種:海事産業
製品情報 : Triton IP67カメラ
SDK: Arenaソフトウェア開発キット

AIによる海上航行のための物体認識

従来、船舶の監視は、航海中の安全な航行のニーズを満たすために、多数の船員や手作業に頼っていました。船員による注意深い監視は、船舶の安全運航を確保するための重要な要素となっています。しかし、漁船やブイ、漂流物などの物体は、レーダーなどの航海計器だけではすべて検知できない。そのため、船員の見張り業務に余計な負担がかかっていました。長年にわたり、コンピュータビジョンと画像処理技術を組み合わせたものが、海上監視の標準となっています。現在、船舶には、レーダーやLIDARなどの従来のセンサーに加え、可視カメラや赤外線カメラが搭載され、物体検出や状況把握が行われています。さらに近年では、AIによる物体検出や船舶の自律航行が実現され、海上監視の強化が図られています。

課題

JRCSは、船員の精神的負担の軽減とさらなる安全性の向上を目指し、ビジョンカメラを用いたAIによる監視用物体認識技術を開発しました。船舶に搭載されたビジョンシステムは、様々な気象条件やシーンでAIが認識可能な周囲の映像を撮影します。暗闇から逆光まで、さまざまな環境下で撮影できる感度とダイナミックレンジを兼ね備えたカメラは、従来のカメラにはありませんでした。また、降雨や潮風の影響も懸念されるため、航行中のさまざまな天候にさらされる中で、確実に動作することも重要な検討項目となりました。

解決方法

JRCSは、独自のコンピュータビジョン技術を用いた製品「infoceanus command」を商船三井の船舶に搭載し、現在の航海計器では検出できない目標物も含めて認識する技術力と、航行中の船舶運航支援に有効であることを確認しました。夜間や視界の悪い環境、特に船員にとってストレスとなる状況下で、他船の位置や進行方向、相対速度、自船との距離などを推定し、最終的には自律航行中にそのような対象物を認識することを目的として、効果的に動作することが確認されています。

LUCIDのカメラ「Triton TRI054S」は、Sony IMX490 HDR CMOSイメージセンサーを搭載し、裏面照射型構造による高感度で、夜間でも様々な物体を認識できる画像を撮影することが可能です。

また、朝夕などの逆光のシーンでも、IMX490のハイダイナミックレンジ(HDR)が露出オーバーによる白飛びを抑制し、あらゆるシーンでAIによる物体認識を可能にしました。

さらに、船舶の設置場所は航行中に常に振動しており、そのような状況下でも確実に動作する堅牢性が求められます。Factory ToughなTritonは、このような悪条件下での使用に対して優れた信頼性を持ち、IP67等級の防塵・防水性*を持つ筐体を提供し、厳しい気象条件に最適なカメラと言えます。

*Triton IP67の動作は、使用用途に依存し、アプリケーションによっては追加の保護とハウジングが必要な場合があります。

Triton IP67 Camera

LUCIDのTritonは、Factory Tough™構造でIP67に準拠。衝撃や振動に耐え、防塵・防水性能を備えており、過酷な環境に最適なカメラ。

まとめ

近年、船舶の安全航行を支援するために、ディープニューラルネットワークを用いた海中物体検出が盛んに行われています。 人工知能は推論や意思決定に重点が置かれ、コンピュータビジョンは画像情報の提供や物体認識の段階が主である。しかし、両技術を組み合わせることで、近い将来、自律型船舶航行、海上監視、船舶管理、その他の知的輸送システムの最先端開発につながる大きな可能性を秘めています。

詳しくはこちら :

JRCS をご覧ください。

Tritonカメラの詳細については、Tritonの製品ページをご覧ください。